[Vol 46] なぜSparkDojoではTOEICなどの試験対策をやらないのか

いつもお世話になっております。SparkDojo代表のLeoこと、村重です。

毎月末に、SparkDojoをより深く知って頂くためのアップデートやアントレプレナーシップ、グローバルトピックに関連するような内容を発信しています。

突然 猛暑が終わり、一気に涼しくなってきました。
いつまで「秋」が続くか分かりませんが、やはりこの時期は過ごしやすいですね。
「食欲の秋」「運動の秋」「学問の秋」、集中しやすく、気候が原因での疲れや体調不良が起きにくいこの時期、皆さんはどのように過ごされていますでしょうか?

SparkDojoに初めて体験にいらした方や企業の人材開発部門の方から「なぜSparkDojoではTOEICなどの試験対策をやらないのか」という質問をいただくことが多く、今月はその理由を書きたいと思います。

試験自体が悪いわけではない

試験とは、何かしらの目的に対する手段であり、その試験がいったい何を測定しているのかは試験設計の思想によって決まります。
健康診断もそうですが、健診に行かなくても自己管理ができている人もいますし、健診にい行くことで準備をしたり生活改善を考えるきっかけを得る人もいます。診断で異常がないと言われるだけで安心することもあるでしょう。
例えばTOEICのような試験も、学習するきっかけになったり、最初は点数アップが目的で学習していたけれど段々と使ってみることに興味が湧いた人もいると思います。
大手企業であれば、従業員の英語能力を簡易的に可視化することで、海外赴任候補者の一次選抜に用いるということも時間節約になります。
ですので、必ずしも試験自体が悪いわけではありませんし、否定するものでもありません。

試験対策やテストスコアで人は動かない

SparkDojoでは下記ミッションを掲げており、人の成長を通じた社会インパクトを生み出したいと考えており、国境や国籍を超えて人を動かすことができる人を増やすことを目指しております。

Mission of SparkDojo
”To develop future leaders with the ability to cross borders, cultures, and disciplines in order to create new ideas and communities, and to cause positive disruption in the world.”

ただし、例え母国語であっても人を動かすことは簡単ではありません。
そんななか英語が母国語でないという言語ハンデがあるなかで国境や国籍を超えてリーダーシップを発揮するには、「言語運用力」はもちろんのこと、ハンデを補うための「コミュニケーションスキル」が必要です。

テストのスコアはあがったけれど、仕事で使う自信がない、実務でパフォーマンスを発揮したり、人を動かすレベルでは使えないと悩んでいる人が多くいらっしゃいます。
ちょっとした違いなのですが、テスト勉強をしてから実務で使えるレベルにするのは難しくて、実務で使えることを目的として必要なトレーニングや学習をしていれば、テストのスコアなども結果的についてきやすいものです。私自身も実際にそれを経験しています。

試験対策の弊害とリスク

多くの試験は減点法で採点され、正解か不正解かのいずれかで判断されますが、この仕組みが思いもよらない悪影響を及ぼすことがあります。

例えば、試験ではリスニングで聞き取れなくて回答を間違えれば、不正解、すなわち0点です。ただし、現実の場面では、聞き取れなければ丁寧に聞き返せばよいですし、聞き返し方によってはむしろ誠実で信頼できる印象を与えることもあります。聞き取れなかったら0点になるという風に身構えすぎてしまうと自信がない印象となるでしょうし、何よりもすぐに聞き返さずに分かったふりをしていると、完全についていけなくなったりパニックになることもあるかと思います。

また、試験では文法的に正確であれば点数がもらえますが、文法的に正確であるというだけで相手にメッセージが伝わるとは限りません。むしろ、実際の場面では仮に使う単語がシンプルで文法エラーが混ざっていたとしても、伝え方や伝えるタイミング、相手に刺さる言葉を選択することで、ものすごく強烈な印象を残すこともできます。言語運用に慣れていないときから、間違いを気にしすぎて慎重になる癖ができてしまうと、とっさに相手の注意を惹いたり、印象付けを行うような工夫をするスキルが身につかないでしょう。

このような試験活用なら良い

まず受ける試験の趣旨や設計思想を理解することが大切です。
そのうえで測定したい特定要素のレベルチェックを目的として活用することは有効です。
例えば、TOEICであれば、それなりの教養があるネイティブスピーカーであれば、特別な経験やスキルがなくともほぼ高得点になるかと思います。自分の英語力を一般的なネイティブスピーカーと比べたときに、どのような差があり、言語に起因する課題がどういうところに起きやすいかということを知るには役に立つと思います。
また点数変化が継続のモチベーションツールとしても役に立つのであれば、継続は力なり、ですので良いと思います。
SparkDojoではTOEICなどの試験対策を行わない理由は以上です。
しかし試験にこだわりがある方は、なぜその試験を重視するのか、その先にある目的が何なのかを徹底的に考えていただき、その目的を達成するための最短ルートが他にないかどうかをチェックしていただくことを推奨します。


明日は中秋の名月、晴れると良いですね。
コロナウイルスによりバタバタだった今年もあと残り3カ月となりました。
年末に向けて頑張っていきましょう。
2020-09-30

About SparkDojo

東京青山にある英語コミュニケーションスクール
英語で「伝える力」を自分の武器として身につけるプログラム
SparkDojoでは、英単語や文法の知識だけではなく、ポジティブな第一印象の作り方からディスカッションの主導権の握り方まで、マインドセット・ランゲージ・テクニックの3つの観点からコミュニケーションスキルを包括的に鍛えます。
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SparkDojo provides English communication skills training for individuals and corporate clients.
We have a school in Aoyama, Tokyo, and we provide a comprehensive training program that includes building a global mindset, increasing language fluency, and acquiring communication techniques for professionals of all levels.
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