[Vol 44] 若手プロフェッショナル向け - 仕事力UPのための7つのヒント

いつもお世話になっております。SparkDojo代表のLeoこと、村重です。

毎月末に、SparkDojoをより深く知って頂くためのアップデートやアントレプレナーシップ、グローバルトピックに関連するような内容を発信しています。
気づけば明日から8月に入ろうとしています。
今年はコロナの影響に加えて、天気もおかしいので季節感があまりありませんね。
このようなときは物事や自分自身の動き方などを客観的に捉えなおしたり、行動を変えたりすることで自分自身をアップグレードするのに良い時間だと思います。

さて、今月のジャーナルは企業で務めている、新入社員の方や比較的若手のプロフェッショナルの方を意識した内容にしてみました。

各社でもリモートワークが進み、働き方が大きく変わっているかと思います。
誰でも何かしらの煽りを受けますが、ある意味で一番大きな影響を受けかねないのが若手社員の方かもしれません。
先日、外出したときに某プロフェッショナルのパートナーの方とばったりとお会いし、最近の業界状況などを伺ったところ、その方も「ベテランで仕事ができる者は良いとして、まだ即戦力までの経験やスキルがない若手社員が大変。特にこれまでのようなOJTの機会がなかなか提供できないなか、苦労すると思う」と仰っていました。

誰もが最初から何でもできるわけではなく、経験を積んでいくことが重要なので、
このような環境で貪欲にチャンスを掴み、成長することができるかどうかは大きな課題になると言えます。

そのような事情を考慮して、今月は仕事力を高めるためのポイントについて書きたいと思います。人によってスタイルは異なりますので、必ずしもこれが全てではありませんが、少しでも仕事力を高めるためのヒントになれば幸いです。

はじめに

仕事ができる人とはどういう人のことでしょうか?
社内研修、ネットの情報、本などでもいろいろなスキルやテクニックが取り上げられていますが、どのようなスキルや経験があるかということと、仕事ができるかということは少しだけ違います。いろいろな解釈があるかと思いますが、端的に言うと、「どのくらい役に立つか」ということです。
役に立つという一言にもレベルがあります。
いてくれて助かった → 不可欠な存在 → その人がいるかいないかで未来が大きく変わり兼ねない・・・
まずは複雑に考える前に、常にこの観点で自分に足りないものがないかどうか、できることは何があるのかを自問自答して頂くと原点に立ち戻れると思います。


次に、仕事で役に立つ人、いわゆる仕事ができる人たちが実践しているポイントを7つ、チェックポイントの形式でご紹介したいと思います。実は一つ一つがけっこう深い話ですが、今回はサラッと書いています。どこが足りないか、どこがまだ理解や想像ができないか、どこは自信をもって人に教えられるレベルにあるか、という点でチェックしてみてください。

1. 自分のタスクの目的や真のねらいをどこまで正しく理解できているか?

これはある意味であらゆる仕事において最も重要な問いかけです。
ベテランの人であっても必ずしも100%実践できているとは限りませんし、むしろ認識がズレていることはよく見受けられます。
似たようなタスクが二つあったとしても、もしその目的や真のねらいが少しでも異なる場合、それらをどのような優先順位でどこまでこなすべきかは全く異なる可能性すらあります。
複雑な仕事や難しい仕事になればなるほど、この認識のズレはチームにとって致命的にすらなりかねないくらい、勝手な思い込みは極めて危険です。目的やねらいを正しく認識することなく、独自判断で進める行動は潜在的に常にリスクが伴っているといっても過言ではないでしょう。大きな組織になれば指揮命令系統が複雑になりますが、指示を出している上長ももしかしたら本当の目的や真のねらいを正確に理解できていない可能性もあります。
逆に目的やねらいが明確に理解できれば考え、判断、提案、リスク判断の質があがります。
ですので、最初に腹落ちするまでしっかりと確認をすることを心掛けてみてください。

2. どんな条件が揃ったときに仕事がうまくいったと言えるかがイメージできているか?

少し複雑な仕事において、タスクというものは単純なやることリストではありません。
To-Doを上から順番に終わらせれば完璧というものではなく、あくまでも目的やねらいを達成するための条件として、タスクがあります。しかし、タスクを定義するのも人間ですので、よほどできる人でない限り、全てのタスクが完璧に定義されているとも限りません。
ですので、前述した目的やねらいに対して、どのような成果物や状態をどのような条件下で実現できれば、直接的或いは間接的にインパクトを生み出せるのか?をイメージで来ているかどうかが大事です。
自分でその条件を描き出すことが難しい場合、期待値を理解したり調整することが大事です。仕事においては、いくら仕事をこなしても『帯に短したすきに長し』ではもちろんダメで、完璧であれば良いわけでもなく、常に期待値を少し以上超えている状態を作ることが大事です。それがズレないようにするのが、報告・連絡・相談などをしっかりと行う目的とも言えます。
常に成功の条件をクリアしてくる人や期待値を確実に超える人には「安心して任せられる」「もっと任せたい」という評判がついてきます。

3. ゴールから逆引きした段取りが組めているか?

仕事は期限に間に合わせられなければ何の価値もないどころか、全ての努力が無駄に終わってしまうこともあります。
そのためには、いつまでに何をどの順番でこなしていかなければ間に合わないのかを洗い出し、綿密に組み立てる必要があります。そして、そのプロセスに致命的な漏れがあることは許されませんので、ゴールからの逆算が重要になります。
特に、これが終わらないと次に進めない、返事がいつ返ってくるか読めない、といった読み切れない要素の見積りを甘くみることなく、余裕をもった日程を組む必要があります。
何か一つが少しでも遅れるということは、もしかしたらチームとしては巻き返しが不可能なレベルの問題になっている可能性もあると思ってください。
※1.2.がズレるということは、ゴールがズレるということですので、逆算したときに漏れが出たり、順序を間違ったりするということです。

4. 自分の弱点を理解したうえで無駄のない動きをする努力や工夫ができているか?

誰しもが天性で得意なことと、努力してもなかなかうまくできない弱みを持っています。
自分を最大限活かすには、まず自分の特徴を知り、特に弱点に向き合い、その対策を講ずることが重要です。
弱点は、分かっていてもなかなか直せなかったり、意外と自分では気がつかないこともあります。なので、言うのは簡単ですが、なかなか難しいと思います。
特に邪魔しがちなのが、認識の甘さや誤認、プライドの高さ、過度な自信のなさ、対策の具体性のなさ、努力不足、といったことかと思います。
仕事においては自分のこだわりよりも仕事の目的の方が上位概念ですので、強みを活かすのはもちろんのこと、弱みに対する対処を行うことで成果への貢献は大きくなります。
簡単ではありませんが、キャリアの早い段階から意識的に頑張ってみてください。

5. 登場人物の特徴や影響力を捉えているか?

一人で仕事が完全に完結することは多くありません。
人についての理解を深めることはとても重要です。
例えば、論理的に正しいことであっても、登場人物の感情や関係値によって、思い通りに動かないことはよくあります。ですが、それをその人たちのせいにしても結果が出るわけではないので虚しい言い訳にしかなりません。また、逆に、普通に考えたら無理なことであっても、思わぬ人からの助けや協力により、一気に物事が加速することもあります。
本当に結果にこだわる場合、感情や価値観といった要素も踏まえて、物事の展開を想定する習慣をつける必要があります。
仕事に応じていろいろな登場人物がいるかと思いますが、誰がどういう場面で機能したり妨げになったりする、どういう勘違いや間違いをしやすい、約束を守る傾向にあるか守らない傾向にあるか、人の前で意見や行動が変わることがあるか、論理的か感情的か、先を読む力があるかないか、など。
まずはいろいろな人がいるということを理解して、登場人物を捉えることで予測能力や円滑さが増してくるでしょう。人を見抜くことが苦手な人は、得意な人と組むことも大事です。

6. 予期せぬ落とし穴を想像して、万一のときにも動じずに動ける準備ができているか?

多くのプロジェクトや仕事は失敗に終わります。
失敗したくて仕事をしている人はいないというのが、私の持論ですが。
それでも実に多くの仕事は失敗に終わります。
その理由の一つは想定通りに物事が動かないからです。
当たり前に聞こえるかもしれませんが、敢えてこれを逆説的に捉えると、全てのプロジェクトや仕事には想定外の落とし穴が必ずどこかにあるはず、と考えるべきだということになります。
多くの仕事がコケるリスクがあるということは、自分の直接の上司やプロジェクトリーダーが尊敬するような人であっても、やはりどこかに落とし穴が隠れている可能性があるということです。
常にそのような前提に立って、危機察知のアンテナを働かせて予測しようとする姿勢が大事です。ちなみに、ここでいう危機管理とは過剰に不安になってリスクから目を背けることではなく、何か大変なことを成す過程でその達成を妨げかねない未来の脅威に備えて臨むことです。
落とし穴は見えにくいものなので、周囲の理解を得ることができるとは限りません。
それでも、常に自己責任のつもりで準備を進める習慣ができれば、プロフェッショナルとしての飛躍の可能性が大きいと言えます。

7. 体調およびメンタルの管理はできているか?

心技体の概念は武道やスポーツだけではなく、仕事にも通じます。
特に難しい仕事は想像事情に体力や精神力を消耗します。
そして楽なことをしているだけでは成長しませんし、成果も限られたものです。
かといって、身体や心を壊しては長く続きません。
例えば、ものすごく大変なプロジェクトなどで最後まで残っている人たちはだいたい食欲が旺盛な印象があります。逆に、忙しすぎて精神的にも辛い時に、食事を取らない人は、結果的に精神や身体が病んで仕事の途中で離脱したり、バーンアウトすることが多いように記憶しています。
企業のなかには多くの難題があります。ベテランであっても解決が難しいような仕事も、最終的には誰かがそれを処理しなければなりません。仕事力がアップして、戦力しての評価と噂がたってくると困ったときに声がかかるようになってきます。
そうすると、楽ではない仕事の方が増えてくるでしょう。
それに備えて耐性を強くしておくことも重要です。
以上、それぞれのいくつか大事だと思われるポイントを洗い出してみました。
一つ一つを極めようとすると結構大変だと思いますが、OJTの機会が減っていても成長機会を模索している方は、ぜひこれらをヒントにしてみてください。
社内でも仕事ができるという評判が立っている方は、これらのポイントの大半を押さえているはずです。上司や同僚、或いは取引先の人でこれらを体現していそうな方を見かけたら、貪欲に技を盗むようにして自己研鑽してみてはいかがでしょうか。

ぜひ、頑張ってみてください。
明日8月1日からは、グローバルスキルアップイベント SUMMER SPECIALも再開しますので、こちらもぜひ奮ってご参加ください。

また、引き続きコロナウィルスに注意を払うことはもちろんですが、家に籠ってクーラーのかけすぎによる夏風邪など、くれぐれも健康にはご留意ください。
2020-07-31

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