[Journal - Vol 32] 平時と有事のリーダーシップ

いつもお世話になっております。SparkDojo代表のLeoこと、村重です。

毎月末に、SparkDojoをより深く知って頂くためのアップデートやアントレプレナーシップ、グローバルトピックに関連するような内容を発信しています。

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SparkDojoは、世界で通用する人材やグローバルに価値をもたらすリーダーの数を増やすという思想があります。

そこで今回は私が考えるリーダーシップについて、『平時と有事のリーダーシップ』という点で書き記したいと思います。

<私のプロジェクト経験>

いまの会社を立ち上げる前まで、国内外でかなりの数のプロジェクトをこなしてきました。プロジェクトの詳細までは割愛しますが、コンサルティング会社に入る前から、その大半がいろいろな種類の大炎上プロジェクトの立て直しでした。(ちなみに、決して炎上プロジェクトが好きなわけではありません・・汗。)

そもそも大炎上プロジェクトが通常のプロジェクトと大きく異なる点は下記です。
・解決できなければ企業や人の人生に深刻な影響を与え得る結果になりうる
・解決しなければならない期限までのタイムリミットが極端に短い
・あらゆる専門家は投入された後であり、教科書的フレームワークは通用しない
・課題もタスクも特定されていない、もしくは定義が間違っていて誰も気づいていない
・混沌としていて、現場の士気は低く、マネジメントは常にいらだっている
・油断すると、経歴を傷つけたくない人たちや損害を被りたくない人たちから、全ての責任だけを押し付けられて逃げられる
・そこまでして結果を出しても、何もしていない人に成果だけを横取りされる可能性が高い

元々、キャリアも後ろ盾も何もなかった私は、海外経験とビジネス経験、そして実績を短期間で効果的に得るために、むしろチャンスだと思って、毎回背水の陣で飛び込んでいき、成果を出してきました。さらっと書くと、いとも簡単そうに聞こえるかもしれませんが、『逆境』『無理』『辛い』といった言葉くらいしか当てはまらない、相当な大変さと半端のないプレッシャーと孤独に襲われます。

専門知識どころか基本的知識も経験も何もないなかで、専門家集団のなかに放り込まれ、そしてプロジェクトチームのなかでも私の英語は群を抜いて下手。最初のミーティングは英語にもついていけないし(そもそも日本語だったとしても)理解できないという状況からのスタートばかりでした。なので、「誰だこいつ?」という冷たい視線を受けるところからのスタートにもだんだん慣れていきました。
大袈裟に聞こえたり、盛っていると思われるのも本意ではないので、あえてこのような話はあまりしてきませんでしたが、全て事実です。


英語がネイティブでもなく、アカデミックや強いビジネスのバックグランドがあったわけでもない、むしろハンデだらけといっても過言ではない私が、なぜ世界中の優れたプロフェッショナルたちのなかで、結果を出し続けてこれたのか。

その答えの一つになるのが、平時のリーダーシップと有事のリーダーシップの違いということなのではないかと考えます。

<平時におけるリーダーシップと有事におけるリーダーシップ>

平時とは
普通に生活している以上、特別に危機的な状況もなく、日々の業務や何年か先の未来まで想像や計画をすることができる状況。それに対して関係者の認識も大きくずれない。

平時のリーダーシップで求められること
1. 社会的なシステムのなかで、自他がそれぞれどのポジションにいるのかを理解。
2. その状況で自分に期待されるのが、リーダー役なのか、フォロワー役なのかを理解。
3. そしてその期待値に対する役割を十分にこなす。


有事とは
パニックになるような事態が発生、あるいはそうなることが目前に迫っていて、通常のやり方が通用しなく、先が見えなくなる状況。往々にして多くの人の心理的安全が極度に不安定になる。

有事のリーダーシップで求められること
1. ある状況を解決・突破するための希望となるアイデアや特殊な力があることを示す。
2. そのアイデアや特殊な力をさらに効果的に発揮するために相手が必要であることを示す。もしくは、相手が自力で解決できないことを助けることができることを示す。
3. まず本質的にクリティカルな状況を突破して、少なくとも周りが平時の心理状態になるまでに状況を変化させる。


様々な環境でリーダーシップをどのように発揮していくかということを考えたときに、
まずは自分自身が得意とする、あるいは強化する必要性があるリーダーシップスタイルは、平時のシーンのものなのか、有事のシーンのものなのかを知る必要があると思います。

物事は表裏で補完する関係にあるので、どちらが良いのかという議論ではなく、適切な場面で適切な手段を講じることが大切である、ということがポイントです。

平時のリーダーシップスタイルを有事に持ち込むと問題解決のポイントが根本的にずれていたり、後手対応となることで、事態がどんどん悪化する原因にもなりかねません。
また、有事のリーダーシップスタイルを平時に持ち出しても、煙たがられたり叩かれたり、まして結果的に理解を得られずに人もチームもまとまらなくなる原因にもなりかねません。

<リーダーシップ発揮シーン別の英語ポイント>

英語でリーダーシップを発揮しなければいけない場面に遭遇したときも、まず状況を理解して、そこで重要となるポイントを見極めることが大切です。

平時
多数のステークホルダーで構成される社会システムや会社の仕組みをしっかりと回すことが求められるため、丁寧にきっちりとそして正確にコミュニケーションをとることが求められる場面が多いと思います。そういう意味で、文法や単語力、表現力、論理的フレームワークなどを使いこなすことがより重要になるかと思います。伝える内容も、自分自身の社会的信頼性を高めるようなことや、論理整合が取れたコンテンツや教養なども重要になるかと思います。

有事
未来に対する希望を持たせたり、相手の必要性を感じさせたり、相手の不安を払拭してあげるようなコミュニケーションが求められます。いまよりも良い未来をイメージさせて、具体的な今の課題からどうやってそこに至るべきなのかを語るストーリー構築力や相手を引き込むような語り口調や存在感、そして大事な点だけは白黒がブレないように、本質を断定系で伝える表現力が重要になるかと思います。単語や文法についてももちろんレベルが高いに越したことはないですが、状況がクリティカルであればあるほど、それよりもアイデアがクリアに伝わることの方が重要です。なので、複雑な文法や高尚な単語を駆使しようとして伝わらないくらいなら、徹底的にシンプルにして確実に伝える方が良いです。
これから数年以降のうちに、ますます多くのSparkDojoの方が、多様なグローバル舞台でリーダーとして活躍していると思います。
ぜひ皆さん自身の未来を想像して、お互いに日々研鑽に励んでいきましょう。
2019-08-31

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