[Journal - Vol 31] ワードチョイスの落とし穴\r\n

いつもお世話になっております。SparkDojo代表のLeoこと、村重です。

毎月末に、SparkDojoをより深く知って頂くためのアップデートやアントレプレナーシップ、グローバルトピックに関連するような内容を発信しています。

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先週末に行われたビアガーデンにお越しいただいた方はお疲れ様でした。
ちょうど開始と同時に神宮球場からサプライズで花火もあがり、またいろいろな個性をお持ちの方との交流ができ非常に楽しい会となりました。
今回残念ながらお越しになれなかった方は、さんまBBQやSparkUpなどのイベントも控えておりますので、ぜひお越しください!


さて、今月のジャーナルは ”ワードチョイス” における注意点というテーマについて書きたいと思います。今回の内容は主に日本語をネイティブとする日本人の方に向けた内容となります。

SparkDojoの生徒の方、或いはその周辺にいらっしゃる方は、必然的に世の中の多くの人に比べて、日本以外のいろいろな国の出身者と接する機会が多いかと思います。

皆さんはそういったとき、いわゆる日本人以外の人たちのことを「ガイジン」と呼んでいませんでしょうか?
すでにグローバルに活躍されている方はもちろんのこと、そうでない皆さんも、これから益々国境を越えて、いろいろな国の出身の人と、公私にわたりやり取りを行う機会が増えると思います。だからこそ、「ガイジン」という呼び方をしないように意識して頂きたいと同時に、ワードチョイスの重要さについて考えるきっかけとして頂きたいと思います。


なぜ「ガイジン」という呼び方を止めて欲しいか?

次の3つの観点から説明したいと思います。

1. 知らない間に相手を傷つけてしまわないため
2. 国籍を越えた真の人間関係を築く機会を逃さないため
3. グローバル環境を楽しむための複眼的思考を養うため


1. 知らない間に相手を傷つけてしまわないため

まず、「ガイジン」という言葉は、それほど日本語を話せない人の間でも知られている単語です。なので、多くの人が意外と敏感に言葉をキャッチしていると思ってください。

日本だけで生活をしていると、正直なところ、特に悪意や差別的な意図がなくてもついつい普通に使ってしまう単語であるという現実もあるとは思います。ただし、言葉の持つ意味合いとしては、「外の人」→「自分たち以外」→「よそもの」といったニュアンスが言葉自体に含まれているというのもまた事実でしょう。

仮に、自分が海外のどこかの国に行ったとして、現地の文化に対するリスペクトもしていて、ようやく現地の人たちと仲良くなったと思ったときに、信頼できると思った友人や同僚からそのように言われたらちょっとショックではないでしょうか?ショックを受けないにしてもどことなく距離を感じる違和感が残ったり、やっぱり言葉や外見が違うと受け入れられることはないのかなぁと疎外感を感じてしまうかもしれませんね。

もちろん、人によっては全く気にしない人もいますし、逆に面白がって自虐的に多用するネアカな人もいますが・・、やはり、相手を意図的に傷つけるようなことを本意としていない以上、ちょっとした言葉選びに配慮することは大切だと思います。


2. 真の人間関係を築く機会を逃さないため

これは、ほぼそのまま 1. の裏返しではありますが、皆さんが相手のことを \"社会がつけるフラグ\" で判断することなく、その人自身に目を向けてコミュニケーションを行うことは、相手との本当の信頼関係を築く大きな一歩になると思います。

日本で生活をしていると、現実的になかなか異文化コミュニケーションをする機会やその大切さを学んだり深く考えさせられたりする機会がないのも事実です。なので、たとえ全く悪気がなくても 1. のような状況はごく日常的に起こります。だからこそ、見た目の違い、国籍、宗教、さらにざっくりとした”ガイジン”といった言葉で安易に括ってしまうのではなく、その人自体に目を向けて、その人の名前や人柄、個性などに向き合ってコミュニケーションを取ると、相手も嬉しく感じるはずです。

例え何か非難することや厳しいことを言わなければいけないときも、その人に対して、その人の目を見て、その人の何が嫌だったのか、納得できないのかをしっかりとモノを言うことが大切です。たとえそれがきっかけで喧嘩になったとしても。特にネガティブな内容ほど『だから〇〇〇人は・・・なんだ。』『〇〇〇教の人って、いつも・・だ。』といった形の一般化した表現をすることは軽率に行わないほうが良いです。特に感情的な時ほど、意図しないトラブルやわだかまりにすら発生しかねません。

表現が相手にどのように受け入れられる可能性があるのかを考えたうえで発言することが大事です。結果的に良い関係が築けるきっかけになることと思います。


3. グローバル環境を楽しむための複眼的思考を養うため

言葉はものすごく強い力を持ち、また同時に、多くの言葉の意味合いは主観的で相対的なものです。

例えば、いまあなたが日本以外のある国の出身の知人である Aさん のことを\"ガイジン\"と呼んでいたとします。Aさんも慣れているので、そしてあなたに悪意がないことも分かっているので、あえて気にしないようにしています。

あなたが日本人として日本にいるときはあなたがマジョリティですので、マイノリティであるAさんのことをガイジンという風に呼んでも違和感はないように感じるかもしれません。

ただし、Aさんとさらに親しくなり、Aさんの国や故郷に興味を持ち、あるとき 1人で旅行に行ってしばらくの期間滞在することに決めたとします。そうすると、今度はあなたがその地域ではマイノリティであり、周りからガイジンと呼ばれる存在になります。もしそこで友人であるAさんやその家族や知人から、現地語で \"ガイジン\" という風に表現されたり、何も悪いことをしていなくただ現地に溶け込む努力をしているだけなのに \"日本人はXXXだから嫌いだ\" などと言われるとどう感じるでしょうか。

もし想像しづらい場合は、例えば、日本の都道府県に置き換えてみてください。親しいと思っていた人やその周囲の人から「○○県の人って田舎モノだよね」「○○県の人ってなんかハナにつくんだよね」というように出身地域だけで勝手な判断をされているような感覚です。

グローバル環境というのは、必ずしも人々が客観的に世界を俯瞰して見て行動するような理想的な世界ではなく、それぞれの地域で個々人が主観的に信じるそれぞれの当たり前という感覚を持って考え行動する、矛盾して衝突するような価値観の集合体だと思います。そういったなかで大切なのは、異なる目線や複数の異なる考え方を頭のなかで同時に想像して適切にアジャストしていくための複眼的思考を持つことだと思います。

そのような環境で価値を出し、多様な物事を楽しみ、自分自信の人生を豊かにしていくためには、ところ変わればどう品が変わるのかを想像しながら、郷に行っては郷に従ってみて違いを学び、郷に従い切れない人が違う郷にいるときは暖かく接する、、、言葉のチョイスも含めたコミュニケーションのスタイルは、言語の流暢さを超越するインパクトを産むことと思います。

\"ガイジン\" という一言を取り上げても、ではどういう場面でどのように表現するのが適切なのか・・など、奥が深いと思います。自分なりの観点を持って、考えを模索して、実際の場面で試してみる。或いはそれも含めてオープンに相手とディスカッションしてみることで、グローバルな環境を楽しみ活かしきるために必要な複眼的思考が鍛えられると思います。
以上、ぜひ皆さんも似たようなケースについて考えてみてください。


それでは、うだるような暑さが続きますが、水をたっぷり飲んで夏を乗り越えましょう。
2019-07-31

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