[Journal - Vol 27] 伝統文化理解のススメ

いつもお世話になっております。SparkDojo代表のLeoこと、村重です。

毎月末に、SparkDojoをより深く知って頂くためのアップデートやアントレプレナーシップ、グローバルトピックに関連するような内容を発信しています。

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昨日お花見にいらっしゃった方はお疲れ様でした。
この時期の代々木公園、さすがに人が多かったですが、桜も満開で皆さんと良い一時を過ごすことができました。クラスや別予定と重なり残念ながら参加できなかった方はぜひまた別のイベントでお会いできるのを楽しみにしております。
さて今月のテーマは”伝統文化理解のススメ”についてです。
先月は”海外赴任のススメ”について書きましたが、海外に行くような機会が多い方や、将来的に海外赴任を目指すような方ほど、時間を作って、自国や故郷(複雑な背景の方はご自身のルーツ)の文化や伝統的な何か(料理、音楽、工芸、武道、季節行事、祭事など)を身につけることをお勧めします。そして海外に赴任する機会があるときは、その地域の伝統的な何かを体験してみたりするなど、相手の生まれ育った国の伝統文化に対する理解を深めることをお勧めします。

1) 相手とより円滑なコミュニケーションを行うための手段として

自分自身がアウェイの環境に行くときは、郷に入っては郷に従えのとおり、まずは相手の土俵のルールに徹底的に合わせる努力をします。そうすることでまずは環境順応が進むはずです。
ですが、それだけではどうしてもそれ以上の深い相互理解には至らず、一部の慣れ親しんでいる人たち以外の人たちへの対処ができない可能性がまだ高いです。

”敵(相手)を知り己を知れば百戦して危うからず”という孫子の言葉どおり、相手を深く理解し、かつ自分自身のことも深く理解することで、いろいろな予測ができるようになり、将来のトラブルを防いだり、少しでもお互いにとって良い方向性に事を運ぶことができるようになります。
孫子は兵法家ですが、戦うことは下策であり、戦わないことこそ上策としています。コミュニケーションも然りで、望まない誤解やトラブル、喧嘩などに発展することを少しでも防ぐに越したことはありません。人間として、相性や感情的なものもあるので、ある程度は仕方ない部分ではありますが…。

伝統的なものにはその地域出身者の行動のベースになる要素が多分に含まれます。急がば回れで、自他の根元にあるものを理解する上で、伝統文化に触れることは多くのヒントをくれるでしょう。

2) 相手に対する提供価値の一つとして

私がはじめて海外に行ったとき、その直前に、ある有名な方にアドバイスをもらいに行きました。その際に頂いたアドバイスの一つが情報のGive and Takeについてで、下記のようなことを言われました。
『他の国に行って誰かから何かを学んだり教えてもらったりするときに、ただただ情報をもらいっぱなしではダメだ。何かをもらったら、逆に何かを返せるようでなければなければいけない。例えば、”アメリカで一番高い山はどこですか?”と質問するなら、”ちなみに日本で高い山は富士山で高さは3776mです。”という具合に。』
その後、私自身もいろいろと海外経験を積んでみて、改めてその通りだったなと思います。
さらに実際の経験を踏まえて補足をすると、
ただ単に知識を翻訳したり淡々と説明したりするだけでなく、例えば文化や商習慣が違うことが前提になっているテーマであれば、それらもしっかりと補足しながら、相手の目線で、相手が腑に落ちるようにように伝えてあげることが大切です。そこまで行うと非常に感謝され、また相手もさらに貴重な情報を提供してくれたりします。
そういったことが双方の文化的背景などを深く理解することでできるようになります。

3) 多様な世界を楽しむため

世の中には最新のグローバルトレンドや世界標準のテクノロジーのように、世界中どこに行っても同じものもあれば、ご当地料理や伝統文化のようにその土地にしかないユニークなものがあります。
グローバル共通なものは良くも悪くもどこに行っても同じです。その土地特有のものは基本的にはその土地でしか見られない、個性そのものです。例えば、お花見も良い例だと思います。インドに行ってインド人の結婚式に参加してみたり、アメリカでアメリカ人のバチェラーパーティに呼ばれてみたり、インドネシアの伝統的な儀式に行ってみたり、、そういう場面では、理屈ではなく、現地の人の素の感情が伝わってきます。なんとなく心が柔らかく動くような感覚があり、個人的に、非常に心地よく感じます。その土地が歴史の中で育んできて、何十年何百年と進化してきたいろいろな人類の集大成を継承していき、その感覚を他の地域の人と共有することは純粋に楽しいことだと思います。
逆に、そのようなことを提供できれば、相手にも印象的で忘れられない経験をしてもらうことができます。
以上、私はグローバルマインドセットとは英語を話すとかEnglish Speakerのように振る舞うというだけのことではなく、多様な考え方を理解して、状況に応じて柔軟にスイッチを切り替えることができる能力だと考えます。
いろいろな考え方があると思いますので、共感頂ける方がいらっしゃいましたら、ぜひ伝統文化に関連する活動を検討してみてください。またSparkDojoのトレーナーやスタッフ、あるいは会社の海外オフィス出身の同僚などに会った際にぜひ相手の国の伝統文化について質問してみてください。自分のルーツに興味を持たれてイヤな人はあまりいないはずなので、きっと話も弾むことと思います。


いよいよ新元号が発表されます。新しい年の元年。気持ちを新たに頑張りましょう。
2019-03-31

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